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「松榮堂」“誰が袖”の香り
 
  色よりも 香こそあはれと 思ほゆれ
     誰(た)が袖ふれし 宿の梅ぞも

           (古今和歌集 よみ人知らず)


(梅はその姿よりも香りの方がいとおしく思える。一体この庭の梅は、誰の袖が触れたためにこのように香しいのか)

“匂い”というものは記憶を呼び覚ますものだから、暗示にかけたり暗記したりするのにとても効果的。この現象を「プルースト効果」というのだそうだ。

好きな人の前では必ず同じ香水を使った方がいいと言われるのは、ふっとした匂いが知っている匂いだと、思わず『あ、この匂いはあの人の… ラブラブ 』って自分のことを思い出してくれるから。

上記の奥ゆかしい歌は、まさにそういうシチュエーションを描いているのかも? 昔の人はすでにこの“手”を使って、異性の心を掴んでいたんですね〜。 抱擁

袖に忍ばせていた、あはれ(いとおしい)とさえ思える“誰が袖”の香とは一体どんな匂いなんやろー? ポッ

“誰が袖”の匂い求めて…。
祖母のおつかいで烏丸二条にある「松榮堂」へ。気の利いた“ちょっとしたもん”を、ということで頼まれたのは“匂い袋”。これなら人にあげるのに邪魔にならないし、防虫代わりにタンスに入れてもおける。何よりもお年寄りにとても喜ばれる。


記憶の片隅にひっそりと残る“誰が袖”の匂い袋

匂い袋の歴史は、奈良時代までさかのぼる。上記の歌をもとに名づけた匂い袋“誰が袖”が流行ったのは、実は室町時代。当時は、片袖を忌むことから二つを長い紐の両端につけ、着物のなかを通して両方の袂に入れていたとか。ナルホド、奧が深い。

お香和〜るど
創業宝永2年。現在の地に暖簾を掲げたのが始まり。今でもお香の老舗として地元・京都の人から愛され続けている「松榮堂」。あの洋風のお香でも有名なlisn(リスン)もここの系列である。


窓から見てるだけ〜♪だった「松榮堂」

京都の老舗ということで、ついつい敷居が高いと思ってしまうのか、いっつも窓から見つめているだけ。一度だけ中に入ったことがあるが、なんとな〜く、いたたまれなくって、すぐに出てしまった。だから何の気兼ねもなく一度入ってみたかったのだ。今回は立派な“お客人”なので堂々とお店の中へ!

中に入ると、ふわんとお香のいい匂い。現代のアロマ的な匂いとはまた違う、懐かしい優しい匂い。田舎のおばあちゃんの家を思い出す(ホロリ)って、田舎なんかないか(笑)。


香や匂い袋の他にも、文香やしおりなどの紙類も豊富。

今回買うのは4〜5個の匂い袋。お世話になる人達にお配りするんだとか。うーん…。だとすると、@まけと@くみ姐(ついてきてもらった)のセンスが問われるんですね。これは責任重大です。

形もさまざま、色とりどりのお香や匂い袋がズラ〜リと並ぶ。お値段もべらぼうにお高いものから、リーズナブルなものまで。とにかく必死になって色々な種類の匂い袋を手にとっては、あーでもない、こーでもないと吟味する。結構至難の業である。


選んだ5つの匂い袋たち。

色々あげた候補から最終的に選んだのは、“誰が袖”という名の匂い袋で、大きさもお値段も中くらいの“極品”というもの。白檀・丁字・桂河・竜脳など十数種類の香料を使用したという、「松榮堂」だけのオリジナルブレンドの香りである。
袋の模様も色々とあるので、色目が重ならないようにする。


箱の裏に“誰が袖”の歌が書いてある。

当然そのままでは渡せないので、キレイなお箱をつけてもらう。その箱の裏に、なんとも言いようのない奥ゆかしい歌が流麗な文字で書かれている。上記の“誰が袖”の歌がそれである。

匂いを文章で表現するのは、とっても難しい。@くみ姐曰く、お母さんの羽織の匂いで入学式を思い出すらしい。スパイシーで清涼感のある匂いの中に、少し甘ったるさが残る。

嗅いだことがあってもなくても日本人なら誰しもが、遠い記憶のどこかで“知っている”。それこそが“誰が袖”の匂いなのかも知れません。

「松榮堂」へのアクセス
【住所】京都市中京区烏丸通二条上ル東側
【電話】0120-23-0700(土日祝は除く)
【時間】9:00〜17:00(土日祝は17時迄)
【交通】地下鉄烏丸線「丸太町」下車、7番出口より徒歩3分
【HP】http://www.shoyeido.co.jp/

烏丸通りを南へ真っ直ぐ歩くと辿り着きます。御所からでもそんなに遠くないので、散歩がてらに歩くのには丁度いい距離かも。。。京みやげにおひとついかがでしょう?

。・:*:・゜☆ 。・:*・・゜☆ 。・:*:・゜☆

実はこの“誰が袖”の匂い袋。1つは@まけへのお駄賃だったらしく、好きな模様の匂い袋をおばあちゃんから貰い受けましたとさ。やったねっ♪ チョキ


手前ピンクの匂い袋が@まけの。。。

こういうおつかいなら、何度でも頼んでくれませんかねぇ…。

〜 * 〜 * 〜 * 〜

動物は本能的に、自分がつけた匂いや馴染みのある匂いを嗅ぐと、とても落ち着くという…。

 @まけ:古い旅館や茶室の土壁の匂い?なーんか落ち着くなぁ。
 @くみ:ふ〜ん…。変わってんなぁ…。
 @まけ:お寺のお線香の匂いとかいいよねぇ。
 @くみ:もしかして、蔵の匂いとかも好きなんちゃうか?
 @まけ:あ、そうそう。好きかもしれへ〜ん。
 @くみ:あんたって、鄙びた抹香くさい匂いが好きやねんな。
 @まけ:…。

…ってことは、ワタシの匂いは鄙びた、抹香くさい匂いってか? たらーっ  (@まけ)

関連ブログ記事
「一澤信三郎帆布」の“アストロボーイ・手さげ”(06.10.11)
鞄の中に匂い袋を入れて、自分だけの“ブランド”に。

こちらでも買えます。“誰が袖”の匂い袋。

“ちょっとしたもん”ですが、どうぞ。

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author:miu-miu2, category:京都モノ図鑑, 21:53
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Comment
おはようございます、@くみ様、@まけ様

「五月待つ 花橘の 香をかげば 昔の人の 袖の香ぞする(古今和歌集 よみ人知らず)」
いにしえ人の“香り”の感覚は、研ぎ澄まされていますよね。
匂い袋、可愛らしい〜。
着物のたもとにちょと忍ばせようかしら。
匂い立つような色香の京女になりとうございますわ(笑)
いけこ, 2007/10/29 9:40 AM
こんにちは、いけこさん。

おおっ!さすがは、いけこ女史。
このような素敵な歌を返されたら、なんだかこのブログがちょっと格調高くなったような錯覚が。。。

じゃあ、これから“誰が袖”の香りがする着物姿の「見返り美人」が通り過ぎるたびに、ワタシは

「あ、この匂いは…もしや“いけこさん”?」

って、思うってことなんですね(笑)。

@まけ, 2007/10/29 4:58 PM









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